ポール・スミス氏インタビュー

2017年5月19日

被災地への思いを、
ツール・ド・東北を通じて発信

世界的なファッションデザイナーであるポール・スミス氏。若い頃はプロのロードレーサーを目指していたという大の自転車好きでもある。長年に渡り自転車を愛してきたスミス氏がツール・ド・東北のオフィシャル・チャリティー・サイクルジャージのデザインを手がけることになった、その経緯と、デザイン対するこだわりをうかがいました。

4月に来日された際に、震災後初めて東北を訪れたとうかがいました。
実際にご覧になった被災地はどの様に映りましたか?

被災地である女川を始めて訪れてみて、非常に謙虚な気持ちになりました。
私は、1982年以来日本に来ています。それからというもの日本の方々は私にとって近しい存在でした。

2011年に震災が発生した際には日本の皆さんのことが心配で、いてもたってもいられない気持ちでおり、発生から3週間後にようやく日本を訪ねることができました。当時は、被災地へ足を運ぶことはできませんでしたが。私が来ることで皆さんを勇気付けられればと思い訪問しました。

震災以来こんなに早く、ここまで復興されたことに対して、女川町長を始め、この地域に住んでいる皆様に勇気をいただき、感銘を受けました。また、女川駅の完成と美しいデザインを拝見できとてもうれしく思いました。女川駅は、本当にビューティフルですね!

女川来訪の際もツール・ド・東北のコースの一部を試走されたそうですね。
ポールさんにとって、「自転車」に対する想いを教えていただけますか?

私は10代の頃から自転車を愛してきました。当時はプロのサイクリストを目指していましたが、不幸にも事故に遭遇してしまいました。それは、避けることのできない出来事でしたが、そのおかげでファッションデザインの世界に踏み出すことができました。災い転じて福となす、私にとっては結果的に良いことに変わりました!

当時から自転車に乗ることで得られる「自由」という感覚にとても惹かれていました。自転車のすばらしいところは、現代社会においても、「フレキシビリティ」が得られるところです。自転車に飛び乗るだけで、好きな時に出かけられて、気軽に停めることもでき、とても身軽にもなれます。

そうした自転車への愛情が今回のオフィシャルジャージのデザインにつながったと思いますが、デザインを引き受けることになった経緯を教えていただけますか?

ツール・ド・東北の趣旨に共感し、また今年5回目という節目の年を迎えるにあたり、イベントの広い認知と支援が非常に重要だと思い、協力するいいタイミングだと考えました。2011年に発生した東日本大震災には非常に大きな衝撃を受け、心が痛みました。今回のツール・ド・東北へのサイクルジャージのデザインでの参加は、小さいながらも東北の復興に向けての私なりの貢献と考えています。また、それが大好きな自転車を通じてできることを、なおうれしく思います。

「ポール・スミス」がデザイン提供をするニュースが発表された際、
たくさんの反響がありました。今回のデザインへのこだわりを教えていただけますか?

ご存じの通り、4月にツール・ド・東北のコースを試走する機会を得ました。そこで得たインスピレーションをそのままデザインに落とし込んでいます。具体的には、ツール・ド・東北のテーマカラーであるグリーンを基調に、ツール・ド・東北の実際のコースをポール・スミスの有名なストライプのひとつである「サイクルストライプ」で表現しました。バックネック部分には、私自身が描いた小さなユニオンフラッグ(イギリス国旗)と日本の国旗のモチーフを入れました。'Cycle Stripe'は、私が所有していた歴代の自転車の色からインスパイアされたストライプです。大会にふさわしいデザインとなり、きっと気に入っていただけると思います。

最後に、ツール・ド・東北のライダー、クルーを始め、
被災地域の方々、日本のファンにむけてメッセージをお願いします。

大きな被害をもたらした震災と津波、被災した地域や人々に対する意識や関心を引き続き高めることができればと、心から願っています。

日本と日本の皆さんを愛しています。

オフィシャル・チャリティー・サイクルジャージの売上の一部は、東日本大震災地域の復興支援を目的としたツール・ド・東北基金に寄付します。